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「ボーイミーツガール」「セカイ系
どうも最近は型に嵌ってきた感じも否めないこの二つだが、それでもこの手の話は好きだ。特に後者についてはすぐに飛びついてしまう。
前者の「ボーイミーツガール」は「お決まりの」のような意味もあるが、ここでは「男女の」のほうを指す。偶然にも出逢った二人。その二人が最終的に結ばれる――ってのが大まかな流れでいえば主流なのかもしれないが、必ずしも結ばれなくてもいいのかもしれない。むしろ結ばれない、最悪のバッドエンドの「ボーイミーツガール」も見てみたい気がする。
後者の「セカイ系」について言えば、これは「新世紀エヴァンゲリオン」をはじめとする、「ほしのこえ」や「最終兵器彼女」といった、「僕が動けば世界も動く」のようなストーリーのカテゴリだ。解釈の仕方はいろいろあって、これといって定まってはいないようだが、広くいえば「宇宙のステルヴィア」のようなものもこの模範に入るだろう。とにかく「僕」と「世界」がつながっている――そういう考えで適当にまとめておけば、簡単なのかもしれない。
そしてそれらの複合。「ボーイミーツガール」と「セカイ系」が複合された作品も近頃は多い。「セカイ系」の代表的とされる作品は多からずも「ボーイミーツガール」の要素を含んでいることが多い。これは個人的にはとても嬉しい事実なのだが、型に嵌ってきた二つのカテゴリが合体するのは、一般的にはどうなのだろうか。
話はかわってツタヤというレンタルショップがある。説明する必要もなかろう。その中のDVDのコーナーの「最新作」のところの一部を凝視する自分。その視線の先にはひとつのDVD。ケースの背に書かれた文字は「雲のむこう、約束の場所」。しかしそのケースにDVD自体は入っていない。端的に言うなれば貸出中だ。そのケースの中にDVD自体が戻る日を待ち続けている自分がいる。