『S・A 〜スペシャル・エー〜』#3「おにぎり・まごころ」

そういうわけで光は立派な料理下手なのであった。料理下手といえば何かにつけて焦がしたり、あるいは毒々しい色の液体を作り出す、というのがよくあるが、光の場合、とにかく「力が強すぎる」のである。釜の底が抜けるのは予想だにしない。そして力の強すぎるあまり米をとぐだけで米粉を作り出すが、そこでの光の考えが「力を弱める」ではなく「強い米を探す」というのは……。